【安全性対策】
結核

抗TNFα製剤投与時の合併結核の特徴

抗TNFα製剤投与時の合併結核は,一般の結核とAIDS合併結核の中間的な病像であり,比較的AIDS合併結核に近いと考えられます.一般の結核では肺結核が90%を示しますが,AIDS合併結核では肺外結核(特に胸膜炎,粟粒結核,結核性リンパ節炎)が50%以上を示し,抗TNFα製剤投与時の合併結核では約半数を示します.肺内病変の局在部位は一般の結核では肺尖部,S6に,AIDS合併結核では下肺野,抗TNFα製剤投与時の合併結核では上肺野に多くみられます.空洞形成はAIDS合併結核,抗TNFα製剤投与時の合併結核とも免疫能の低下によるため少ないのが特徴です.

▼ 表.抗TNFα製剤投与時の合併結核と一般結核あるいはAIDS合併結核との比較

  一般の結核 AIDS合併結核 抗TNFα製剤
合併結核
発症背景 加齢,DM,胃切除,腎疾患,硅肺 CD4細胞減少とマクロファージ減少 TNFα抑制と一部のマクロファージ減少
病型 90%以上は肺内結核 AIDSが進行すると肺外結核 増加 約半数が肺外結核
*胸膜炎・粟粒結核・結核性リンパ節炎
肺内病変の局在部位 肺尖部やS6に多い 下肺野 に多い
(初感染が多いため)
上肺野 に多い
(内因性再燃が多いため)
空洞形成 多い 少ない 少ない
病理像 類上皮細胞
ラングハンス巨細胞
乾酪壊死像
左記は少ない
乾酪壊死ではなくTB菌を含む壊死像
左記の2つの中間の所見
治療 PZA(2ヵ月)+EB or SM(2ヵ月)+INH(6ヵ月)+RFP(6ヵ月)が基本 抗結核薬の副作用や他剤との相互作用が多い ほとんどの例で
PZA(2ヵ月)+EB or SM(2ヵ月)+INH(6ヵ月)+RFP(6ヵ月)投与が可能

PZA:ピラジナミド
EB:エタンブトール
SM:ストレプトマイシン
INH:イソニアジド
RFP:リファンピシン

渡辺彰.リウマチ科.2007;37(4):356-364.(一部改変)