【安全性対策】
ニューモシスティス肺炎

ニューモシスティス肺炎の自覚症状と臨床症状

呼吸困難,乾性咳嗽,発熱が主な症状です.同時にPaO2(動脈血酸素分圧)が大きく低下します.胸部X線写真では両側の肺全体に霞がかかったようなスリガラス様の陰影を生じます.

症例は50歳代,男性,肺がんに対する抗癌剤とステロイド剤投与中にニューモシスティス肺炎を発症したものです.左中・下肺野と右下肺野を中心に広範なスリガラス様陰影が広がっており,胸部CTでは胸膜直下が温存されている特徴的な所見がみられます.この例では血中β-Dグルカン値が12.8pg/mLと上昇は弱いものの,呼吸器由来検体を用いたPCR検査でニューモシスティスが陽性でした.抗癌剤やステロイド剤,抗TNFα製剤などの免疫能を強く抑制する医薬品の投与中に強い呼吸困難や発熱がみられ,さらにこの写真のような所見がみられた場合は,本症を疑う必要があります.

(渡辺先生ご提供)