関節リウマチ患者さん向け
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ときどき関節の痛みがひどくなります.良い対策法はありますか.
痛みがひどくなるポイントは人それぞれ.
どのようなタイミングで痛みがひどくなるのか把握して,対策をとることが大切です.
温度や湿度,ホルモンなど,痛みを強くする原因は人それぞれ.寒さで痛みが増す人もいれば,湿気で痛みが増す人もいます.しかし原因さえつかめばブランケットを羽織ったり,加湿器で湿度を調整するなど対策はできます.自分の体の特徴を知ることが重要な第一歩です.
よく肩がこります.セルフマッサージのコツを教えてください.
マッサージしたい箇所を温湿布や温かいタオルであらかじめ温め,ほぐしやすくしましょう.無理にほぐそうとして筋肉を痛めることも避けられます.
手を伸ばさなくても肩や背中を指圧できるアームがアーチ状になったセルフマッサージャーを利用するとよいでしょう.ただし,何でも「やりすぎ」はよくありません.ほどほどに.
関節が痛んで家の中を歩くのもつらい時があります.スリッパでは歩きにくいし,どうしたらよいでしょう.
クッション性に優れたルームシューズを履いてみましょう.歩行時の痛みを和らげてくれます.
かかとリングを引っ張ると,かかと部分のゴムが伸びて脱ぎ履きが簡単にできます.
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座位(イス)の生活に変えることで,家の中でつまずいたり,
転んだりする危険性を減らすことができると聞きました.具体的にどのようなことでしょうか.
つまずきの原因となる段差をなくしたり,膝や腰への負担を軽くして,動作をラクにしてあげましょう.
たとえば,靴を着脱する動きが必要な玄関は,患者さんの負担が大きい場所.そこで玄関にイスや踏み台を置き,靴の着脱をラクにする工夫をしましょう.また,現在布団で寝起きしている人は,ベッドに替えると膝や腰への負担が軽くなります.
浴室は段差をなくしづらいうえに,滑りやすく,転倒の危険も高くなります.良い対策法を教えてください.
簡単にできるリフォームは,洗い場にスノコを設置したり,浴槽内用イスを設置することです.
スノコがあることで段差が小さくなり,滑りにくくなります.浴室内へ出入りがしやすくなり浴槽内での立ち座りの動作もラクになります.浴槽内用イスは,イスの足の裏に吸盤などの滑り止めがついているものを選びましょう.
廊下に手すりをつけようと思いますが,どのくらいの高さに設置すればよいでしょうか.
手でつかみやすい腰の下あたりに設置することが多いのですが,肘で体を支える方がラクな方はもう少し高めに設置します.
ご自分の症状やクセに適した位置を踏まえて設置しましょう.
手すりを設置するだけでなく,ちょっとしたリフォームが生活を明るくすることもあります.たとえば,賃貸マンションなどでは,物干しざおの高さが固定されている場合もあります.ヒノキを敷いてバルコニーの床を高くすれば,洗濯物干しがラクになるだけでなく気分転換に景色を楽しむことも可能になります.関節痛で以前よりも視線が低くなったと感じる人におススメのリフォームです.
リフォームの際は,主治医や建築士としっかり話し合い,快適に暮らせる工夫をしましょう.
お椀がうまく持てなくて,こぼしてしまうことがあります.スープのようにテーブルに置いてスプーンで飲むしかないのでしょうか.
コーヒーカップのような取っ手のついたお椀があります.
おみそ汁やお吸い物など手を添えて食べたい汁物も,これを使えば安心です.通常のコーヒーカップよりも大きめの取手のおかげで,持ち上げやすいのが特徴で,しっかりと手を添えることもできます.大きめのマグカップをお持ちであれば,代用品に使うのもおススメです.
ペットボトルを自分で開けるのに,便利なグッズがあるとききましたが.
ペットボトルだけでなく,びん,缶のプルトップなども簡単に開けることができます.
最大口径70oまでのフタに対応し,少しの力で簡単に開けることができます.指先の力が弱くなったと感じている方におススメのグッズです.びんのふたはドライヤーなどで少し温めてからだと,空気圧の関係で開けやすくなります.ほかにも牛乳パックを開けるための牛乳パックオープナーもあり,用途に合わせてグッズを揃えることができるのが嬉しいですね.