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第1回 関節リウマチと診断されて不安に思ったことは何ですか?

結果発表と専門医からの解説

関節リウマチ患者さんを対象としたアンケート調査
(アンケート期間:2009年3月15日〜4月30日)

調査概要:関節リウマチ治療中の患者341名に対し,「関節リウマチと診断されて不安に思ったことは何ですか?」と質問し回答を得ました(Webアンケート調査).

回答結果

  回答選択肢 回答数 %
1 どんな病気なのだろうか 33 9.7%
2 治るのだろうか 74 21.7%
3 関節が変形したり,寝たきりになるのだろうか 104 30.5%
4 合併症もいろいろあるのだろうか 57 16.7%
5 家事ができなくなるのだろうか 68 19.9%
6 その他 5 1.5%
  合計 341 100%

監修者コメント

医療法人財団 順和会 山王メディカルセンター院長
リウマチ・痛風・膠原病センター長
山中 寿 先生

どんな病気の場合でも,はじめて病名を告げられた時の不安は例えようがありません.関節リウマチと医師に告げられた方がどんな不安をお持ちなのかを調べた結果ですが,治るのだろうか,関節が変形したり,寝たきりになるのだろうか,家事ができなくなるのだろうか,というような将来の見通しに対する不安が大きいようでした.リウマチが慢性疾患でつらい思いをしている人が多いことからの不安だと思います.それに対して,どんな病気だろうか,という不安は少なく少し驚きました.情報社会の現在ではインターネットなどでいろいろな情報を見て,知識を得ることができます.リウマチと診断された方はご自分の病気について,まず調べておられるでしょう.ただし,ネット上にあふれる情報は玉石混交です.中には我々が見て明らかにおかしいものもありますので,やはり信頼できる主治医を見つけ,相談することが必要です.

関節リウマチの治療は過去10年間で飛躍的に進歩しました.従来は進行していく関節の変形を止めることができず,病気をコントロールできなかったのですが,現在では早期に診断し,積極的に治療することで,関節の変形をほとんど食い止めることさえ可能になりました.関節リウマチと診断されても怖くない時代になったと実感しています.

関節リウマチと診断された時に必要なこと,それは適切な治療を一刻も早く開始することです.有効性の確認されていない怪しげな治療法で時間を浪費している暇はありません.関節リウマチの治療に習熟した専門医を受診し,適切な治療を受けてください.かかりつけの医師から紹介していただき,病状が安定したらまたかかりつけ医で診ていただくことも可能です.専門医の情報は,日本リウマチ学会のホームページ(https://www.ryumachi-jp.com/)や,日本リウマチ友の会(https://www.nrat.or.jp/)のような患者さんの組織でも得ることができます.

リウマチと診断されたことの不安は適切な治療を早期から受ける前向きの姿勢で解消することを強くお勧めしたいと思います.