関節リウマチ患者さん向け
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関節リウマチ患者さんを対象としたアンケート調査
(アンケート期間:2009年7月1日〜8月31日)
回答選択肢 | 回答数 | % | |
---|---|---|---|
A | どこで治療を受ければよいのだろうか | 23 | 8.3% |
B | どんな治療がよいのだろうか | 65 | 23.5% |
C | 薬の副作用が心配である | 93 | 33.6% |
D | 通院の時間が取れないかもしれない | 22 | 7.9% |
E | 医療費が支払えるだろうか | 65 | 23.5% |
F | その他 | 9 | 3.2% |
合計 | 277 | 100% |
東邦大学医学部 内科学講座膠原病学分野 教授
亀田 秀人 先生
関節リウマチの治療は長期にわたって行うものですから,どのような治療を選択すべきか,その副作用や経済的負担を気にするのはごく自然なことです.
現在の治療が本当に最適なのか,ほかにも良い治療法があるのではないか,と疑問を感じたり,テレビやネットで「こんな治療法がある!」と知れば試してみたくなったりと,治療方法についての悩みや不安は尽きないことでしょう.主治医は,検査や診断をした上で最適と思われる治療を行っています.しかし,人間の体も疾患も大変複雑ですので,教科書どおりにはいきません.また,治療前に個々の患者さんに薬が効くか効かないかを確実に予測する方法はまだありません.「知り合いの患者さんはすぐに良くなったのに,どうして私はすぐに良くならないの?」と思われることもあるでしょう.そうした疑問や不安を募らせて落ち込んでしまうようなことはありませんか?
そんな場合には,正直に主治医に不安を打ち明けてみてください.主治医は,あなたにとって一番身近な治療の専門家なのですから,遠慮なく相談してみましょう.主治医はきっと次の手立てをすでにお考えだと思います.最初の治療で良くならなくても大丈夫です.関節リウマチはあっという間に進行する病気ではありません.しかし,半年前後を目安にコントロールすることは必要で,何年経っても良くならないのでは困ります.
薬の副作用を心配されている方も大変多いですね.現在,製薬会社が提供しているお薬は,長年にわたる厳しい検査や試験を受けた上で,厚生労働省が「有用性が高い」と認可して,製造・販売されているものです.ですので,過度な不安を抱く必要はないでしょう.ただ,どんな薬であれ,副作用がまったくないということではありません.食べ物のアレルギーと同じように相性があります.大切なことは,医師や薬剤師から指導された正しい服用方法・投与方法をきちんと守っていただき,ほんのわずかでも体調等で「おかしいな」と感じるようでしたら,迷わず主治医や薬剤師さんにそのことを伝えることです.その上で,定期的な通院・検査を欠かさず,症状を常にチェックしてもらうことが重要です.
面倒なようでもこのような対処をしていれば,万が一,治療薬の副作用が発生しても,迅速に対応することができます.また,定期的に症状や体調をみてもらうことによって,患者さんの病状に最適な治療法を提案させていただくことも可能になります.
また,関節リウマチの治療薬は比較的高価なものもありますから,経済的な不安を覚える方もいると思います.しかしながら,そのようなケースでも各種の公的制度により,医療費を軽減できる場合があります.このヒュミラ情報ネットの中でも「ヒュミラ®の治療を受けるときの患者さんの医療費負担について」のコーナーに解説がありますので,一読されてはいかがでしょう.「治療には,どのくらいの費用がかかるのか?」,「医療費の負担が軽減される制度はあるのか?」,「私のような条件(例:生活保護の認定を受けている場合,障害者手帳を持っている場合,など)でも負担が軽減されるのか?」などについて解説しています.「もっと詳しく知りたい」,「直接誰かに相談に乗ってもらいたい」という方は,かかりつけの病院にソーシャルワーカーがいればその人に,もしいなければ各自治体の高額医療費の補助に関する相談窓口等にお尋ね下さい.もちろん,主治医や看護師さんにご相談いただいても結構です.
医療者の役目は,まず病気そのものを治療することにあります.しかし,それと同時に,患者さんの不安を取り除くことも重要な役目です.皆さんがどんな不安をお持ちなのか,次回の通院の際に,かかりつけの先生に,あるいは看護師さんに,その不安のもとをお話ししてみませんか? お話しすることによって,解決の糸口が見つかるかもしれません.治療法に「絶対」はありませんが,大切なことは最良と思われる方法を主治医と一緒に選んでいくことです.薬剤の副作用や費用と同時に,病気自体により生じる全身の関節や内臓の障害,そしてそれに関連する有形無形のコストをともに勘案する必要があり,病気あるいは薬剤のいずれか片方だけを見て治療法を決めてはいけません.主治医は必ず両者を十分に勘案して治療法を提示していますから,十分な説明を受けて主治医の意図を正しく理解した上で,ご自身の考えを率直に伝えるように心がけて下さい.そうすれば,主治医との信頼関係も一層深まることでしょう.そして,どうしても納得できなかった場合には,セカンド・オピニオンを訊いてみてもよいでしょう.どうぞ遠慮なく,主治医にセカンド・オピニオン外来の紹介状をお願いして下さい.