用語 | 解説 | 補足 |
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A | ||
ACR/EULAR 関節リウマチ分類基準 | 米国リウマチ学会(ACR)と欧州リウマチ学会(EULAR)との共同作成による新しい関節リウマチ分類基準.関節リウマチを早期に診断するために有用な基準ですが,基準に合致していても関節リウマチではない場合,基準に合致していなくても関節リウマチである場合もあり,最終的に関節リウマチと診断するにはリウマチ専門医による総合的な判断(問診,診察,X線検査,血液検査,超音波検査,MRI検査等)が必要です. | |
ADL (日常生活動作) [activity of daily living] |
起床,移動,食事,更衣などの日常の必要な基本動作すべてを指します.これらを評価することで身体活動能力や障害の程度を測るための重要な指標となります. | QOL |
AIMS [Arthritis Impact Measurement Scale] |
身体機能の評価をリウマチ患者さま自身が記入することにより,QOL(生活の質)を評価する質問表. | HAQ QOL |
ANA (抗核抗体) [antinuclear antibody] |
自分の細胞の核内に含まれるさまざまな物質を抗原と認めてしまう自己抗体をいい,関節リウマチなど膠原病に広く検出されます.自己抗体の一次スクリーニングとして位置づけられています. | |
B | ||
B細胞 | 白血球の一つであるリンパ球には,主にT細胞,B細胞があります.B細胞は,T細胞の指令により病原菌(抗原)に応じた抗体を産生し,抗原を攻撃します(抗体産生).さらに,抗原に適合したB細胞はこれを記憶し(免疫記憶),次回侵入時にすぐに対応できるようにします.また,B細胞の表面に受容体をアンテナのように掲げ,抗原と結合すると同時に抗原を提示(抗原提示)し,T細胞に知らせる働きをします. | |
C | ||
CRP(C反応性たん白) [C-reactive protein] |
急性の炎症,組織の壊死をおこした場合,約2〜3時間で急激に上昇するたん白質です.炎症の早期診断や組織の破壊を判断するのに最も鋭敏な指標となっています.感染症や関節リウマチなどの膠原病,外傷,悪性腫瘍の診断や経過観察に利用されます. | |
CT法 [classification tree] |
厚生省研究班(山前)が作成した早期関節リウマチ診断基準をもとに,各項目をフローチャートにして関節リウマチの診断を進めるものです. | |
D | ||
DAS28 [Disease Activity Score28] |
欧州リウマチ学会により薦められている関節リウマチの活動性の評価法.DAS28は,(1)28の関節での圧痛関節数,(2)28の関節での腫脹関節数,(3)VASを用いた患者による全般的健康状態,(4)ESR(赤血球沈降速度)を評価の対象として,DAS28の公式により算出します.DAS28以外に,44の関節で評価したDAS44があります. | |
DIP関節(遠位指節間関節) [Distal Inter-Phalangeal Joint] |
第2指〜第5指の指先から一番目(遠位)の関節. | MP PIP |
DMARDs(抗リウマチ薬) [disease modifying anti-rheumatic drugs] |
関節リウマチの免疫異常を修飾し疾患の活動性をコントロールすることから,疾患修飾性抗リウマチ薬ともいいます.異常な免疫機能を正常化したり,免疫機能を非特異的に抑制したりします.ステロイド薬や非ステロイド性抗炎症薬でなく,関節リウマチの自然経過を改善し,一部は関節破壊の進行を予防します. | |
E | ||
ESR(赤血球沈降速度) [erythrocyte sedimentation rate] |
採血した血液を静置したときの血漿中の赤血球の沈降速度を測定する検査で,炎症や組織の崩壊,疾患の活動性や重症度を確認することができます. 正常値は1時間値で成人男性2〜10mm/hr,成人女性は3〜15mm/hr.異常値の出る疾患は,感染症・自己免疫疾患(関節リウマチなど)の炎症性疾患,腫瘍・心筋梗塞などの組織崩壊性疾患,貧血症,ネフローゼ,多発性骨髄腫などがあります.赤沈,血沈とも呼ばれます. |
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H | ||
H2ブロッカー | ヒスタミンH2受容体拮抗薬.胃壁表面にあるヒスタミンH2受容体に,ヒスタミンが結合しないようにブロックすることにより,胃酸の分泌を抑えるため,胃炎を抑えるのに使用される薬です. |
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HAQ/健康調査質問表 [health assesment questionnaire] |
慢性疾患における身体機能障害の程度を評価するために,患者さまが行う自己記入式質問表.日常生活で遭遇するさまざまな作業についての20の質問があり,「何の困難もない」から「できない」までを4段階で答えます.その結果から,機能障害指数(DI)を計算します. | AIMS |