用語 解説 補足
肺線維症 肺胞に線維組織が増え硬く縮まってしまう病気です.空気のガス交換ができなくなり呼吸困難となり,線維化が広い範囲におきた場合には危険な状態に陥ります.
初期の症状は,軽く走ったり階段を上ると息切れや呼吸困難を感じる程度ですが,進行すると安静時に息切れ感,ひどい咳が続くようになり,さらには慢性的な低酸素状態となって,常に酸素吸入が必要となります.
間質性肺炎
破骨細胞 骨は常に作り変えられています.古くなった骨を溶かし,新しい骨が作られる下準備をする細胞が破骨細胞です.その下準備されたところに骨芽細胞が骨を形成し,新しく丈夫な骨を作り上げます. 骨芽細胞
骨粗鬆症
白血球数(WBC) 血液細胞内の顆粒球(好中球,好酸球,好塩基球),リンパ球,単球の総数で,静脈血1mm3中の球数で示します.血液疾患のほか,感染症などの各種疾患の診断に用いられます.正常値は成人で3,000〜10,000/μL(mm3). 赤血球沈降速度
ばね指 指を曲げるための屈筋腱は,指の根元から指先の第一関節までは靭帯腱鞘という組織で覆われています.屈筋腱と靭帯腱鞘の間で炎症がおこると,指の付け根に痛み,腫れ,熱感が生じます.これを腱鞘炎と呼び,進行するとバネ現象が生じます.これがばね指です.指が曲がったまま伸びなくなり,無理に伸ばそうとすると,カクッとした感覚とともに弾かれるように伸びます.これが「バネ現象」です.重症化すると指が曲がったままになり,全く伸びなくなります.親指,中指,小指に好発します.  
パラフィン浴 パラフィンはロウの一種で,熱伝導率が高く冷めにくく,深部まで熱が伝わるため,パラフィンを温めて溶かしたものの中に,手や足を入れては上げる動作を10〜15回繰り返し,バスタオルなどで包んで保温効果を狙った温熱療法としてパラフィン浴を行います. 理学療法士
半月板 膝関節内にある軟骨に似た組織で,内側と外側に一つずつあり,体重による負担を和らげるクッション的な役割と,膝を安定にさせ,動きをスムーズにする役割を担っています.  
パンヌス 関節リウマチでみられる病変で,滑膜が異常に増殖し肉芽腫のような病変が形成された組織をいいます.パンヌスにはさまざまな細胞が集まり,それらはTNFαなどの炎症を引きおこす物質を分泌します.また,軟骨,関節辺縁部(骨境界面),さらには骨を侵食し関節破壊を引きおこし,パンヌス が線維化して硬くなると,骨と骨とがくっついて一つの骨のようになることがあります.  
ハンマートウ 槌趾とも呼ばれます.足先が前方にあたらないように踏ん張るため,足指の屈曲が本来とは逆の状態になり, かなづちのように変形します.足は踏ん張りが利かなくなります.ひどい場合は相当な痛みがあり,手術をすることになります.  
ヒアルロン酸 グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンが結合した二糖の繰り返し構造を有するグリコサミノグリカン.軟骨の構成成分の1つ.  
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) ステロイド薬ではない抗炎症薬すべてをいい,抗炎症作用,鎮痛作用,解熱作用を持っています.長期投与により胃腸障害などの副作用があります.  
皮膚筋炎(DM) 自己免疫疾患の一つ.多発性筋炎と同じ症状に皮膚症状も伴う病気.  
ピラミッド方式 関節リウマチの薬物療法における治療方針を示したもので,“まず安全な薬から” を原則とします.第一段階として,安静と適度な運動など患者教育による基礎療法と同時に,非ステロイド性抗炎症薬を使って痛みを抑えます.これで効果がない場合は,第二段階で抗リウマチ薬を使います.抗リウマチ薬も作用が弱く安全性の高い薬から使い,強い薬に切り替えていきます.それでも効果がみられない場合は,第三段階としてステロイド薬を使います. ステップダウン・ブリッジ方式
フェルティー症候群 関節リウマチ症状に白血球減少,脾腫を伴った症候群で,関節破壊の進行した関節リウマチ患者さまに発症することがありますが,その頻度は1%程度です.発症は女性にやや多く,50〜70歳代に多いです.  
ブシャール結節 手指の第二関節にみられる変形性関節症  
ヘバーデン結節 ヘバーデン結節は,指の第一関節が変形する変形性関節症です.第一関節の爪側に,2つの硬い隆起(結節)ができます.原因は不明.40歳以降の男女にみられます.症状は初期では発赤,腫脹,こわばり感から始まり,透明な水ぶくれのような粘液嚢腫がみられることがあります.慢性期には疼痛,屈曲変形を生じます.  
変形性関節症(OA) 関節の使いすぎや年齢などにより,関節軟骨とその組織がすり減り,骨増殖性変化が加わることで次第に関節が変形していく疾患を指します.関節炎では一般的な疾患です.関節軟骨がすり減ると,滑膜に摩擦物質が溜まり,刺激を受けて基質破壊酵素が分泌され,痛みや腫れ,発熱,水腫などの炎症をおこすと考えられています.