用語 | 解説 | 補足 |
---|---|---|
か | ||
介護保険 | 介護保険は高齢者(65歳以上)の介護を社会的に支える仕組みですが,40歳以上65歳未満であっても関節リウマチなどの特定疾患で介護が必要となった場合,介護サービスを受けることができるものです.要支援1,2,要介護1〜5の階級があり,要支援と認定されれば介護予防サービスを,要介護と認定されれば介護サービスを受けることができます. | 指定難病医療費助成制度 難病患者等居宅生活支援事業 |
開張足 | 横アーチが崩れることにより甲の高さが低くなり前足部が横に広がった状態で,横アーチ偏平足ともいわれます. | |
外反母趾 | 足の親指が人指し指側に向かって曲がった状態.親指の付け根の関節の内側に滑液嚢炎といわれる痛みのあるでっぱりができます. | |
角膜 | 眼球の黒目を覆う透明な膜 | |
滑膜 | 関節を覆っている膜状のもので,関節腔(骨と骨のすき間)に滑液という関節の動きを潤滑にする液体を分泌しています.関節リウマチ発症の主要部位であり,関節リウマチ治療の最も重要な組織です. | |
滑膜切除術 | 増殖滑膜を切除し関節の破壊を抑えるこの手術は,早期からの適切な抗リウマチ薬の使用により,近年減少しています.関節破壊が進行した手関節で関節炎症状と支持性の低下がみられる場合には有効な手術法です. | |
間質性肺炎 | 肺は肺胞という小さな袋の集まりでできており,その肺胞の非常に薄い壁で空気の入れ換え(呼吸)をします.間質性肺炎は関節リウマチなどの膠原病あるいはその治療薬など何らかの原因で,肺胞の壁の中や周辺に炎症がおこり,細胞やコラーゲンなどが増加し肺胞壁が厚くなる病気です.そのため呼吸がしにくくなったり,咳が出たりします.炎症が治まっても不可逆的に増悪をおこし,肺がさらに固く膨らみにくくなり,呼吸ができなくなる危険な状態に陥ることがあります.細菌などの感染でおこる,いわゆる肺炎とは異なります. | 肺線維症 |
関節可動域 | 肩,膝,肘,股などの関節の動く範囲をいい,関節構造,筋,腱,靭帯,皮膚の伸展具合,筋緊張などにより決定されます.リハビリ時の運動療法として関節可動域訓練(自動運動,介助運動,他動運動)があります. | |
関節鏡 | 関節内部を内視鏡で直接見る検査法.この検査では,ごく小さな侵襲で内視鏡を注入し,膝であれば関節軟骨,滑膜,半月板,前十字靭帯を観察することができます.肩,肘,手関節,股,足,顎関節にも応用されています. | |
関節固定術 | 関節の軟骨面を切除して骨と骨を癒合させて固定する手術で,リウマチの痛みが改善されます.関節可動域がなくなることを十分考慮して本術式を選択すべきとされています. | |
関節切除術 | 変形した骨を部分的に切除し関節の動きを改善する方法です.足の指の変形が適応となります. | |
関節内注射法 | 疼痛,可動域減少,腫脹など関節リウマチの関節症状を改善するために,関節に直接注射する方法.関節リウマチではステロイド薬を注入します. | |
関節ねずみ | さまざまな疾患により軟骨や骨が剥がれ,欠片は関節内で浮遊し動き回ることから,まるでねずみのようであることから名づけられました.その欠片が関節の間に挟まると関節は痛み,またうまく動かせなくなりぎこちない動作になります. | |
関節包 | 関節の外壁を完全に包み込んでいる袋状のもので,関節全体を1つにまとめています.その内側に滑膜があります. | 軟骨 |
関節裂隙狭小化 | 関節軟骨が磨耗により減少すること.軟骨破壊の指標となる. | 骨びらん Sharpスコア |
感度 | ある病気の人が,診断や検査でその病気にかかっている(陽性)と判定される確率.感度が高いとは,病気の人が陰性と判定される確率が低いということです. | 特異度 |
基礎療法 | 関節の安静,規則正しい生活,リウマチ体操などにより関節機能を保持するために,患者さま自らが医療関係者の指導により行う療法. | |
キメラ抗体 | 2種類以上の生物種由来の部分を含んだ抗体. | 抗TNFαモノクローナル抗体 |
臼底突出症 | 滑膜の病気で,大腿骨の骨頭,股臼ともに破壊,変形する病気.大腿骨頭が臼底に向かって突き出てきます.これは股臼底突出症,臼蓋底突出症ともいわれ,関節リウマチの特徴的な症状です. | |
鏡視下滑膜切除術 | 関節鏡を使用して滑膜を切除する術式.主に膝関節,肩関節で行われます. | |
近位指節関節(PIP関節) | 指の先から2番目の関節. | 遠位指節間関節 中手指節関節 |
屈曲拘縮 | 曲がったまま動かない状態をいいます. | |
血管新生 | もともとある血管から新しい血管が生じること.細胞が増殖するためには,酸素や栄養吸収するための補給路として新しい血管(新生血管)を形成します.血管新生は関節リウマチや癌などでみられ,関節リウマチではパンヌス内での血管新生が盛んです. | |
腱移行術 | 関節リウマチでは,伸筋腱という腱が切断されて指が伸びなくなることがあります. 切断された場合には健康な指の腱を移行し断裂した腱をつなげて,指を再度伸びるようにします. | |
腱鞘 | 骨と骨格筋をつないでいる腱を囲む鞘(さや)をいいます.この中に関節にもある潤滑液の滑液があり,腱を滑りやすくしています.これにより腱は滑らかな動き,指の屈伸が行われます.親指の付け根の手首や指のてのひら側の部分などに存在します. | ばね指 |
抗核抗体(ANA) | 自分の細胞の核内に含まれるさまざまな物質を抗原と認めてしまう自己抗体をいい,関節リウマチなど膠原病に広く検出されます.自己抗体の一次スクリーニングとして位置づけられています. | |
高ガンマグロブリン血症 | γ(ガンマ)グロブリンは免疫グロブリンともいわれ,IgGやIgMなどの抗体ですが,これらが血液中に高濃度に存在する状態をいいます. | |
抗原 | 免疫細胞上の受容体に結合し,アレルギーなどの免疫反応を惹起する物質で,特にアレルギーの場合はアレルゲンともいいます.細菌やウイルス,薬剤,食物など体外のものがこれにあたりますが,自己免疫疾患では自分の体内にあるものが抗原となっています.通常,抗体やリンパ球の働きによって生体内から除去されます. | |
膠原病 | 関節リウマチ,全身性エリテマトーデス,強皮症,多発性筋炎,多発性動脈炎,シェーグレン症候群,混合性結合組織病などの総称. | |
抗サイトカイン療法 | TNFα,IL-1,IL-6,IL-8などの種々のサイトカインを抑制する治療法で,どのサイトカインをターゲットにするかによって,薬剤は変わります. | 抗TNFαモノクローナル抗体 キメラ抗体 |
拘縮 | 長時間体を動かさないでいると,関節周囲の軟部組織(筋肉や皮膚など)の伸縮性がなくなり,固くなって関節を動かせにくくなる状態. | |
抗体 | 抗原の侵入により,次回侵入時に抗原を攻撃できるよう事前に体内に生成されている物質をいいます.抗体は免疫グロブリン(血漿中のガンマグロブリン)です. | |
抗TNFαモノクローナル抗体 | TNFαに特異的に結合するように遺伝子組換え技術によって作られた単一の抗体.TNFαを中和することによって炎症や関節破壊の進行を抑えます.生物学的製剤の一つです. | 抗サイトカイン療法 |
抗リウマチ薬(DMARDs) | 関節リウマチの免疫異常を修飾し疾患の活動性をコントロールすることから,疾患修飾性抗リウマチ薬ともいいます.異常な免疫機能を正常化したり,免疫機能を非特異的に抑制したりします.ステロイド薬や非ステロイド性抗炎症薬でなく,関節リウマチの自然経過を改善し,一部は関節破壊も予防します. | |
骨塩量 | 骨塩量とは骨の強度(カルシウムなどのミネラルの密度)のことで,骨塩定量法とは骨粗鬆症の診断や治療の評価に使う検査です.骨密度測定ともいいます. | |
骨芽細胞 | 骨を保つために,骨は壊して修復することを続けています.骨を壊す破骨細胞に対して,骨を形成する細胞を骨芽細胞といいます. | |
骨粗鬆症 | 破骨細胞と骨芽細胞のバランスが崩れることにより骨塩量が減って骨がスカスカになり,骨折しやすくなった状態.一般的には高齢者や閉経後の女性に多くみられます.関節リウマチ患者では健康人に比べ,早くから高い確率でみられることが多く,ステロイド薬過剰投与が原因になることもあります. | |
骨びらん | 骨の表面が欠けたもので,X線検査で確認できます.関節リウマチの進行度(ステージ)の評価に用いられます. | 関節裂隙狭小化 Sharpスコア |
混合性結合組織病(MCTD) | 全身性エリテマトーデス,強皮症,多発性筋炎の症状が混在する自己免疫疾患.手指が青白くなったり(レイノー現象),指から手背が腫れぼったくなります.また,他の膠原病より肺高血圧症になりやすいです. |