用語 | 解説 | 補足 |
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さ | ||
サイトカイン | 細胞から産生される生理活性物質で,可溶性のたん白質の総称です.サイトカインは,表面にそれぞれのサイトカインに対する受容体を持っている細胞に結合して,その細胞の増殖,分化,機能発現などを誘導する作用を示します.サイトカインはそれぞれ,多種多様の作用を持っています.体外の抗原又は自己抗原に対する免疫応答などに重要な役割を持っています. | 抗炎症性サイトカイン |
作業療法士 | 身体又は精神に障害のある患者さまに対し,医師の指導のもとで,主に日常生活や社会復帰のための適応能力を回復させるために,手芸,工作,その他の作業を行う指導や援助をする専門職. | 理学療法士 |
シェーグレン症候群(SS) | 自己免疫疾患で,口の渇き,ドライアイ,関節痛,疲労感などがみられます.40〜60歳の女性に多く発症しています.関節リウマチの5人に1人が合併しているといわれています. | |
自己抗体 | 自分の体の抗原に対する抗体. | |
自助具 | 食事,整容,更衣動作など,日常生活関連のさまざまな動作を容易にするための補助具. | |
膝蓋腱反射 | 足を組んだ姿勢で,膝のお皿の下(膝蓋腱)を叩くと,正常であれば大腿四頭筋が収縮して足が跳ね上がります.脚気の診断に用います.脊髄,神経伝達,筋の障害を調べる検査. | |
指定難病医療費助成制度 | 指定難病の患者が,支給認定された有効期間内の特定医療のうち,指定医療機関から指定難病の医療を受けたときは,厚生労働省令で定めるところにより,当該支給認定を受けた指定難病の患者又はその保護者に対し,当該指定特定医療に要した費用について,特定医療費を支給することになっています. | |
尺側偏位 | 指全体が,尺側(小指側)に斜めに偏ること. | |
若年性特発性関節炎(JIA) | 15歳以下の小児に発症する原因不明の慢性疾患で,持続する関節の炎症を特徴とします.主に疼痛・腫脹・運動制限がみられます. | |
手根管症候群 | 手根管は手首付近にある靭帯と骨で囲まれた長さ3cmほどのトンネル状の空間で,その中を通る神経が手根靭帯で圧迫されることにより,手のしびれを引きおこします.中年女性に頻発します. | |
腫瘍壊死因子α(TNFα) | サイトカインの一種,抗腫瘍性サイトカインで,癌細胞を破壊するたん白質を活性化させ癌細胞を壊死させるように働きますが,破骨細胞を活性化させるようにも働き関節破壊を促進させます.炎症性サイトカインでもあり,関節リウマチにも大きく関与しています.また,免疫応答に深く関わるとともに,さまざまな細胞に働きかけて,細胞の増殖・分化と炎症,発熱,ショックなどを導きます.関節リウマチの滑膜にはTNFαが多く存在し,滑膜細胞に作用して,さまざまな炎症性サイトカインのほかさまざまな物質を誘導させ,関節リウマチの症状を引きおこします. | |
上強膜炎 | 白目の表面にあるのが結膜で,その下にある白く強い膜が強膜です.上強膜とは,強膜の表面の血管が比較的多くみられるところをいい,ここに炎症がおこるのが上強膜炎です. | |
シルマーテスト | ドライアイなどの場合に,涙液の分泌能を測定するために行う検査.一般的にろ紙の先端を5mm折り曲げ,下結膜曩に挿入して5分間放置し,10mm以上濡れた場合を正常とします. | |
人工関節置換術(人工関節形成術) | 軟骨の破壊などで障害のある関節部分の骨を取り除いて,金属やポリエチレンなどの人工関節に置き換える手術法です.痛みはとれ,術後早期から荷重ができ,入院期間も短期間で済むという利点はありますが,関節可動域が減少したり,人工関節の磨耗により再置換が必要になることがあります. | |
靭帯 | 強靱な結合組織の短い束で,主成分は長いコラーゲンの線維です.骨と骨とをつなぎ関節を形作り,関節の運動を滑らかにしたり関節可動域を制限したりします. 靭帯には若干の弾性があり,張力がかかると次第に伸びていくため.脱臼した場合,できるだけ早期に整復する必要があります. |
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身体障害者福祉法 | 身体上の障害を持つ18歳以上の方は,都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けることにより身体障害者福祉法による各種サービスが受けられます.また関節リウマチの患者さまが身体障害者手帳を交付された場合,社会復帰のために必要とする更正医療が市町村より給付されます. | |
ステップダウン・ブリッジ方式 | ピラミッド方式とは全く逆の考え方で,関節破壊などの非可逆変化を阻止するために,早期より強力な抗リウマチ薬を使用し,場合によっては併用して,効果が出てきたら薬剤の量を減らす,あるいは効果の弱い薬に切り替えていく治療法. | |
ステロイド薬 | 副腎皮質ホルモンと呼ばれ,副腎の外側(副腎皮質)より分泌されるホルモンです.炎症を強力に抑える作用と免疫能を弱めてアレルギー反応を抑える作用があります. | |
生活の質(QOL) | 身体的,心理的,社会的に満足のいく日常生活を送ること.また,その度合. | |
成人発症スティル病 | 若年性特発性関節炎の全身発症型が成人で発症したもの.発熱,関節症状,皮疹が3大症状です.型的には,発熱は夕方から夜間にみられ, 昼間は平熱になります.20〜40歳の年齢に多く,また,比較的女性に多くみられます. | |
生物学的製剤 | 生物学的製剤とは,リウマチ治療においては生物が産生したたん白質を利用して,最新の遺伝子工学により開発された新しい薬剤です.炎症性サイトカインを直接コントロールする薬剤などがあります. 抗リウマチ薬に比べ,生物学的製剤には高い炎症抑制作用,関節破壊進行抑制作用がありますが,肺炎や結核などの感染症をはじめとする副作用に注意して使用する必要があります. |
抗TNFαモノクローナル抗体 キメラ抗体 抗サイトカイン療法 |
赤血球沈降速度(ESR) | 採血した血液を静置したときの血漿中の赤血球の沈降速度を測定する検査で,炎症や組織の崩壊,疾患の活動性や重症度を確認することができます. 1時間値と2時間値を測定します.1時間値の正常値は成人男性2〜10mm/hr,成人女性は3〜15mm/hr.異常値の出る疾患は,感染症・自己免疫疾患(関節リウマチなど)の炎症性疾患,腫瘍・心筋梗塞などの組織崩壊性疾患,貧血症,ネフローゼ,多発性骨髄腫などがあります.1時間値と2時間値の差も指標となります.赤沈,血沈とも呼ばれます. |
白血球数 |
線維芽細胞 | 結合組織を主に構成している細胞である,皮膚や骨などの結合組織に存在するエラスチンやコラーゲンなどたん白質の量を調節します.炎症や損傷により組織の傷害を受けると増殖し,肉芽から瘢痕形成によって損傷部分を修復します. | |
装具 | 関節保護,変形矯正や歩行補助のために,手足や体に装着する補助具の総称. | |
即時型アレルギー反応 | 気管支喘息,蕁麻疹,アレルギー性鼻炎などの症状が含まれ,食物や薬剤などの抗原の侵入から数分〜数十分で症状が出ます.重いタイプの即時型アレルギーにアナフィラキシーショックがあります. | 遅延型アレルギー反応 |