用語 解説 補足
大動脈炎症候群 大動脈やそこから分岐した血管に炎症が生じ,大血管の狭窄や閉塞により,脳,心臓,腎臓などの重要な臓器の損傷,手足の疲れ,その他さまざまな症状を引きおこす原因不明の血管炎です.20〜30歳の女性に多くみられ,別名高安病とも呼ばれています.  
脱臼 関節から骨の関節面が外れ異常位置で留まっている状態をいい,多くは関節を構成する靱帯軟骨も損傷します.脱臼部位の痛みと変形,腫脹,運動制限等を伴い,本来の関節の動きが不能となります.何度も同じ箇所を脱臼すると関節内の軟部組織等の損傷がおき,それが原因で習慣性になることもあります.
また,関節でおこる同じ症状として捻挫がありますが,骨の位置関係の異常がないものをいいます.
 
脱髄疾患 神経を保護するために神経線維を取り囲んでいる鞘(さや)が脱落することにより,神経伝達が正常に行われなくなる病気.中枢神経の脱髄でおこる多発性硬化症は代表的疾患です.  
多発性単神経炎 末梢神経障害で,左右非対称に複数の神経が損傷します.神経への損傷は神経の一部である軸索の破壊で,これにより神経伝達を妨害されます.糖尿病でよくおこります.関節リウマチなどの膠原病にも付随して生じます.  
遅発型アレルギー反応 抗原の侵入から数時間〜数日後にアレルギー症状が出る反応を遅発型アレルギーといいます.ツベルクリン反応も遅発型アレルギーの一つです. 即時型アレルギー
中下位頸椎亜脱臼(SAS) 関節リウマチにおける頸椎病変は,環軸関節病変と中下位頸椎病変に分けられます.中下位頸椎は比較的脊柱管やクモ膜下腔が狭いため,椎体のすべり症である中下位頸椎亜脱臼を生じます.  
中手指節関節(MP関節) 手の指の付け根の関節. 近位指節間関節
遠位指節間関節
超音波検査 測定対象物に超音波を送り,対象物で反射され戻ってくるエコー信号を受信するまでの時間から,測定物までの距離を計算して,反射波を画面上に表示して,内部の様子を可視化するものです.軟部組織の病変をみることができます.  
槌趾 ハンマートウとも呼ばれます.足先が前方にあたらないように踏ん張るため,足の指の屈曲が本来とは逆の状態になり, かなづちのように変形します.足は踏ん張りが利かなくなります.ひどい場合は相当な痛みがあり,手術をすることになります.  
動揺関節 ぐらぐらしている関節  
特異度 異常でない方の検査結果が陰性になる確率.特異度が高い検査で陽性となれば,その疾患の患者である可能性が高いということになります. 感度
軟骨 軟骨は,骨とは全く異なったもので,骨の端を弾力性のある厚さ2〜5 μm の半透明の物質が覆ったものです.重い体重を受け続けたり,また,走ったりジャンプして着地したりした場合の大きな衝撃を吸収する役割を持っています.
軟骨は,軟骨細胞とそれを取り囲む軟骨基質(コラーゲン,プロテオグリカン,ヒアルロン酸)からなる支持器官です.軟骨は水分を多く取り込める構造をしているため,軟骨の約80%が水分です.また,軟骨には,血管,神経,リンパ管はないため,養分は関節液を介して取り込まれます.また,軟骨は神経がないため損傷していても通常は痛みを感じません.軟骨下骨の神経が露出すると痛みを感じるようになります.
関節包
滑膜
軟骨細胞 軟骨内にあちこちに散らばって浮いたように存在している細胞.プロテオグリカンやコラーゲンを分泌し,関節液を介して酸素や養分を受け取り不要物を排出します.  
難病患者等居宅生活支援事業 平成9年より始まった制度で,療養生活支援を目的とした事業を実施し,難病患者さまの自立と社会参加の促進を図ることで患者さまのQOLの向上を目指す福祉施策です.関節リウマチ患者さまは,障害者認定を受けていなくてもホームヘルプサービス事業,日常生活用具給付事業,短期入所事業などの支援策が受けられます. 介護保険
特定疾患治療研究事業
軟部組織 関節においては,関節の周りにある筋肉,腱,滑膜,皮膚など,骨以外の組織.  
日常生活動作(ADL) 起床,移動,食事,更衣などの日常の必要な基本動作すべてを指します.これらを評価することで身体活動能力や障害の程度を測るための重要な指標となります. 生活の質
捻挫 関節でおこるもので,関節包靭帯を損傷した状態を指し,患部に痛みや腫脹,熱感を伴います.脱臼とは違い,骨の位置関係の異常がないものをいいます.ぎっくり腰は腰椎で,ムチウチは頸椎で捻挫した状態です.