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関節リウマチの診断基準

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関節リウマチは、類似した病気との鑑別診断が難しいため、検査結果とともに分類基準や診断基準を考慮して診断されます。

米国リウマチ学会・欧州リウマチ学会の関節リウマチ分類基準(2010年)

Aletaha D, et al. Arthritis Rheum. 2010; 62(9):2569-2581.

治療を開始すべき早期炎症性関節炎患者を同定

図.治療を開始すべき早期炎症性関節炎患者を同定

スコアリングシステム

  • ■少なくとも1つ以上の明らかな腫脹関節(滑膜炎)があり、他の疾患では説明できない患者がこの分類基準の使用対象となる
  • ■明らかな関節リウマチと診断するためには下表の合計点で合計6点以上が必要

▼ 腫脹または圧痛関節数

大関節の1ヵ所 0点
大関節の2〜10ヵ所 1点
小関節の1〜3ヵ所 2点
小関節の4〜10ヵ所 3点
最低1つの小関節を含む11ヵ所以上 5点

▼ 血清反応:RF,CCP抗体

RF,CCP抗体の両方が陰性 0点
RF,CCP抗体のいずれか低値陽性 2点
RF,CCP抗体のいずれか高値陽性 3点

▼ 炎症反応

CRP,ESRの両方が正常 0点
CRPもしくはESRのいずれか高値 1点

▼ 罹病期間

6週未満 0点
6週以上 1点

米国リウマチ学会の関節リウマチ分類基準(1987年)

Arnett FC, et al. Arthritis Rheum.1988; 31(3):315-324.

(1)〜(4)までの症状が6週間以上続くこと
上記の7項目のうち,4項目以上にあてはまる場合を関節リウマチとする,とされています.

早期リウマチの診断基準(日本リウマチ学会)

山本純己ほか. リウマチ 1994; 34:1013-1018.

関節リウマチをより早期に診断するための助けとして,発症1年以内の早期関節リウマチの診断を目的に作成された日本リウマチ学会による「早期リウマチの診断基準」があります.ただし,これにあてはまるからといって必ずしも関節リウマチとは限りません.この診断基準に該当する患者さんは,詳細に経過を観察し,病態に応じて適切な治療を開始する必要があります.

以上6項目中,3項目を満たすもの