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薬物治療

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2.薬物治療(内科的療法)

現在の医療では,関節リウマチを根本から完治させる薬はありません.しかし,痛みや腫れを和らげたり,病気の進行を抑える薬がありますので,患者さんそれぞれの状態に合わせてお薬が処方されます.

▼ 関節リウマチの治療に使われる代表的な薬剤

分類 特徴
非ステロイド性
抗炎症薬(NSAIDs)
炎症と痛みに対して効果が期待できます.関節リウマチの発病初期から関節の変形が進んだ後期まで,どの段階でも処方されます.
抗リウマチ薬
(DMARDs)
炎症の原因となる免疫異常に働きかけます.免疫調節薬は免疫異常を改善し,免疫抑制薬は免疫力そのものを低下させます.効果があらわれるまでに時間がかかります.メトトレキサート(MTX)などがあります.
ステロイド薬 抗リウマチ薬の効果が得られなかった場合や,効果があらわれるまで待てない病状に対して,投与が検討されます.
生物学的製剤 関節破壊に直接関わる物質(炎症性サイトカインなど)や細胞の活性を抑えます.
JAK阻害薬 生物学的製剤と同様に,関節の腫れや痛みなどの炎症,そして関節破壊の進行を抑える作用があります.

治療薬の効果,副作用などを考慮した上で治療方針が決まったら,できるだけ早い時期(診断後3ヵ月以内)に,抗リウマチ薬(DMARDs)による治療を開始し,痛み止めや炎症を抑えるために非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や少量のステロイド薬を病態に合わせて補助的に使用します.

そして,はじめのDMARDsで効果がなければメトトレキサートを使用します.メトトレキサートを併用しても治療効果がみられない場合には,数種類のDMARDsを併用したり,ヒュミラ®などの生物学的製剤などを使用することになります.

関節リウマチの発症2年以内に関節破壊が始まることがわかってきました1).ですから,最近では,できるだけ早期に診断し,積極的に治療を開始することが重要視されています.

1)Fuchs HA, et al. J Rheumatol. 1989; 16(5): 585-591.